2023年03月28日

廃棄パソコンをアップサイクルして有効活用。増え続ける電子廃棄物問題を解決

アップサイクルされたノートパソコン

東京、大分の二拠点で活動する株式会社J-PROUTのアップサイクル事例を紹介。

法人向けのPCレンタルを手がけているJ-PROUT。

システム・アプリケーション開発を請け負う中で、様々な企業の担当者から社用PCに関する不満を聞く機会が増え、なんとか問題解決できないかとはじめたのが、一度廃棄されたPCをアップサイクルして、快適に使用してもらう仕組みでした。

このようなアップサイクルには、PCを取り巻く環境の変化も影響しています。「現在のビジネスシーンでは、クラウドを活用することで容量の問題はある程度解決できますし、ChatGPTなどのAIのサポートを受けることで、PCそのもので作業する必要も減ってきています。比較的古いPCであっても、アップサイクルすることで、最新スペックと遜色ない性能にまで生まれ変わらせることができます。」と代表の橋元さんは話します。

J-PROUT代表 橋元氏

より新しい機能、技術を求めPCの製品寿命は年々短くなっており、電気電子機器廃棄物(電子ごみ)発生量も増加していますが、PCにはさまざまな金属部品が使われているため、環境にとっても大きな負荷となっています。

国際連合大学などの調査報告書 (The Global E-waste Monitor 2020)によると、 電子ごみの発生量は、ここ5年間で21%も増加し(独立行政法人国民生活センターHPより)、世界的な社会問題になっています。

破棄されたPCには様々な破損があるが、使用可能なパーツを丁寧に修復する

J-PROUTがPCを販売するのではなく、レンタルしている理由もゴミを減らすための取り組みのひとつ。

新型コロナウィルス感染症の流行以来、人の働き方は大きく変わりました。リモートワークが当たり前になった今、新しい働き方にフレキシブルに対応できるのもレンタルならでは。レンタルであれば、使わなくなったものは返却するだけなので、廃棄せずに済みます。

「ゴミというものは、一度の仕事を終えたものであって、再び新しい価値を与えることができる可能性があるものです。例えば、飲み物が入っていた瓶は、中身を飲み干した後には「もう飲み物が入っていない瓶」として捨てられることがありますが、「空いている容器」として再利用することもできます。このように、ものに新しい側面を見出すことができると、さまざまな気付きを得られると思います。」

アップサイクルの考え方が新しいビジネスと環境保全につながっています。