骨董品店や蚤の市で見かけるアンティーク。これまで大切にされてきた古い小物や家具など様々なアイテムが存在する。コレクターにとっては収集する事が喜びだが、そんなアンティークをアップサイクルし「古いものが活きられる」空間をデザインする会社がある。株式会社ブランキューブの代表市川氏に話を聞く。
アンティークの古さと新しさを融合させる
歴史ある建築物が今でも当時の面影を残す北欧の古い街並みが好きで、そのようなイメージを商業施設や住環境に取り入れるデザインを企画しています。古い物そのままという事でなく、新しいものも取り入れた新旧の組み合わせのバリエーションですが、特にアンティークを取り入れた「物から入るデザイン」にこだわっています。
古さは価値、しかし機能として使えなければ意味がない。
僕のデザインにおけるアンティークというのは、それだけがポツンとあっても仕方なく、機能として使えなければ意味がないという考えです。古いステンドグラスを実際の窓として活用するとか、年代物の絵画の額縁を鏡のフレームとしてアップサイクルするなど、空間の中に古い物が実際に活用され活きられるという事を重要視しています。
空間や内装のデザインに際しては、ビンテージのギターを飾るのに合う壁はどのようなものかなど、アンティークありきという場合も多いです。空間全体のバランスを考え、天然木材やロートアイアンを活用したり、場合によっては“造形技法”を使って壁や家具などを作ります。また、あえて古く見せるエイジング処理を施して演出する事もあります。アンティークに空間を合わせるという事ですね。
古い物を新たな空間と融合させ、新たな価値として使い続けていく事ができたら素敵なことだと思っています。