ペットボトルやポリエステル漁網をアップサイクルした、住み手・作り手・環境に安全な断熱材
安全性を追求した断熱材「パーフェクトバリア」
リサイクルペットボトルを50%以上使用した、高性能断熱材「パーフェクトバリア」を主力商品に、今まで断熱材に欠けていた、安全という価値を追求しながら環境問題に貢献する、エンデバーハウス株式会社のアップサイクル事例を代表の米田さんに伺いました。
エンデバーハウス株式会社は、1999年にカネボウ株式会社のハウジング・繊維部門から独立し、断熱吸音材の製造メーカーとして設立されました。
「パーフェクトバリア」は、100%ポリエステル製の断熱材です。ベビー服等にも使用されるフリース素材と同等の安全性で、住宅の高気密化で建材等から発生する化学物質を起因とするシックハウスの原因にもなりません。製造エネルギーは断熱材として一般的に広く使用されているグラスウールの約6分の1で、国内工場生産による輸送エネルギー抑制など、CO2排出を徹底的に抑えています。
また、住まいを建て替える時にはそのまま再利用でき、ゴミにならずリユースできます。住み手だけでなく施工者にとっても扱いやすく環境負荷の軽減にも貢献する断熱材なのです。
吸音性能も優れているため、以前から車のエンジンカバー・高速道路の吸音材など、従来のウレタン・スチレン・ガラス繊維素材に替わり、様々なところに採用されていますが、特に最近では、認定こども園等の天井に反響音対策として採用される事が増えています。昨今、教育現場での音問題は国内外で深刻な課題になっています。吸音パネルを採用することで、近隣への騒音対策にもなり、園児にも保育士にも快適な保育環境を提供することができるのです。
環境問題や不安定な世界情勢などの影響を受けて、人々の生活スタイルも変わる中、時代に合わせた対応方法を常に模索しています。伸び続けている断熱市場を基盤に、顧客にダイレクトに響く製品を心がけ、安全性や環境への配慮はもちろん、音にもフォーカスした製品開発に取り組んでいます。
海洋プラスチック削減への挑戦
当社では、海洋プラスチック削減にも取り組んでいます。今年春に発売された「マリーンウール」は、漁業組合からの依頼によって、日本国内の海岸に漂着する海洋プラスチックの4割を占める漁網をアップサイクルした、ポリエステル繊維100%の環境対応品断熱材です。この試みは、世界規模で深刻になっている海洋プラスチック問題を、効果的に解決するためのアップサイクル事例の一つとして注目されています。
アップサイクルという言葉ができる前から環境問題と誠実に向き合ってきました。気候変動の影響が身近なものになり、人々の意識が大きく変わってきたと感じています。安全性、耐久性、エネルギー効率、そしてリサイクル可能性を備えた「パーフェクトバリア」と「マリーンウール」は、持続可能な建築材料として、今後の断熱材のスタンダードになると確信しています。
時代に合わせて成長を続け、より多くの人々が快適で安全な生活を送って頂くことを願って、日々研究開発に努力を重ねて行きたいと考えています。
